かつて寺田寅彦氏が“天災は忘れた頃にやってくる”と喝破し、災害に対する日頃の備えの重要性を説きました。
しかし、今や天災は忘れる間もなくやってくるようになりました。
日本国内も、夏の猛暑、台風の度重なる襲来、多雨、新潟や福岡の地震、冬の大雪等々頻繁に自然災害が発生しています。
地震については、海洋型の巨大地震や首都圏直下型地震の発生が近いと予測されており、予断を許さない状況です。
東海、東南海、南海地震が同時に発生すると、被害総額は80兆円超と国家税収の2倍の損害、東京直下型でM7だと何と112兆円の損害と予測されており、地震リスクを警戒して、海外の投資家も関東・東京圏への投資を手控え始めていると噂されているほどです。
次に経営リスク(投機的リスク)ですが、社会の変化に伴い、今までにないリスクも頻発するようになってきています。
戦後の右肩上がりの時代は、全社的なリスク管理は不要な時代でした。
企業が注意すべきことといえば、雑駁に言えば、社員の労働災害、建物の火災、社有車の交通事故、手形の不渡りくらいであったと思います。
社員の不正行為もありましたが深刻な問題ではありませんでしたし、企業に不祥事が発生してマスコミに大きく取り上げられても、経営トップが深々と頭を下げて陳謝し、場合によっては辞任すれば何とか治まる時代でした。
経営トップは業績の向上に専念できる時代であったとも言えます。
しかし、バブルが崩壊する頃から時代は大きく変わり始めました。
規制緩和、自由化、グローバル化の流れ → 競争の激化 → 失業者の増加 → モラルの低下、殺人・強盗、テロ、詐欺・横領、賠償請求の増加
損害額が巨額化し、何が起こるかわからない時代となりました。
リスク社会の到来、トータルリスク管理が必要な時代の到来です。
かくして、世の中の流れが変わり、トータルなリスクマネージメントが必要な世の中となってきました。
こんなことを言いますと、何とも重苦しい雰囲気となってしまいます。
しかし、リスクの要因は後ろにあるかもしれませんが、リスクは前にしかありません。
リスクは、未来(だから未来予測は必要)にしかありません。
チャンスもしかり、夢もしかりです。
目標も目的も前にあります。リスクを恐れていては、夢を実現することも、目標を達成することもできません。
とするならば、リスクは恐れるものではなく、マネージメントするものではないでしょうか。
中小企業の社長は、忙しくてリスクマネージメントなどやっている暇はない、などとよく言われますが、前向きで重要な経営事項の一つとして、中小企業こそ是非経営に組み込んでいただきたいと思います。
私たちはそのお手伝いをしたいと考えています。 |